「市場の前提、本当に理解できていますか?」 ー事業環境を“構造的に理解する”という選択肢ー
海運や資源・エネルギーといった領域では、需給構造や競争環境、政策動向など、事業判断に影響を与える変化が日々生じています。こうした変化に対して、事業の責任者には、事業環境を前提から捉え直し、自社にとっての意味合いを見極めた上で判断や対応を行うことが求められる局面が増えているのではないでしょうか。
一方で、自社の事業を取り巻く環境について、構造やプレイヤー、因果関係まで踏み込み、「どのような前提のもとで成り立っているのか」「どのように理解すべきか」といった観点から捉え直すことは容易ではありません。特にこの領域では、政治・経済に関する知見の蓄積が求められますが、その敷居を超えて整理・分析ができる人材が社内にいるケースは稀かと思います。
結果的に、各国の通商政策やエネルギー安全保障といった要素を十分に踏まえないまま理解が進み、事業環境の捉え方が表層的なものにとどまってしまっているとお感じになったことはないでしょうか。こうした状態では、「不透明な前提に基づく意思決定」を余儀なくされるリスクが生じると考えています。
本来、こうした事業環境を深く理解するためには、政治・経済に関する専門的な知見を前提としながら、それを自社の事業にとっての前提条件として再構成するプロセスが不可欠です。ICHINOYAでは、このプロセスを「インテリジェンス体制」として整理し、企業個別の事業状況・関心領域・意思決定プロセスの課題を踏まえ、事業の意思決定に必要な市場環境の分析や運用のご支援をしています。
本コラムでは、「事業環境を理解しているつもりだが、実のところは前提が曖昧なまま意思決定を行っている可能性がある」という状態に対する、ICHINOYAのアプローチをご紹介します。
政治経済学の専門人材による「事象を背景から理解する」講義+ディスカッション形式のプログラム
こうした状態に対するアプローチとしてICHINOYAが提供しているのが、政治・経済領域を専門的に研究してきたメンバーによる講義+質疑・ディスカッション形式のプログラム「ICHINOYA Academy」です。
すでにプライム上場企業様に対し提供を開始しているプログラムで、以下3点がポイントです。
ポイント①「背景の構造から理解すること」を前提に設計
単なる情報の整理や解説にとどまらず、政治・経済的な前提を含めた背景構造から理解することを前提に設計されています。
前述の通り、事業開発・推進者が直面する課題は、「個別の事象は把握しているが、それらをつなぐ構造や前提の理解が不足している」点にあります。
ICHINOYA Academyでは、この構造や前提が見えていない状態を解消するために、
- 歴史的背景(なぜその構図が生まれたのか)
- 国際関係・産業構造(誰がどのような利害で関与しているのか)
- 因果関係(どの要因がどの結果につながるのか)
といった観点からトピックを分解・整理し、「なぜそうなっているのか」を起点に、事業環境を構造として理解できる形で提供します。
ポイント②「自社事業の意思決定に直結するテーマ」をご関心事項に合わせて設定
さらに重要なのは、その理解を「”自社にとって”何が前提となるのか」という粒度まで深めることです。
事業環境の構造を理解したとしても、それが自社の意思決定に接続されなければ、実務上の価値は限定的です。特に、政治・経済に関する情報は一般化された形で流通することが多く、そのままでは自社の事業判断に用いる前提としては不十分なケースも少なくありません。
そのため講義テーマはパッケージではなく、事業領域や関心に応じてカスタマイズされ、「自社にとって何が前提となるのか」「どのように理解すべきか」という観点で再構成されます。
ポイント③「聞くだけではなく、理解する」ことに重きを置いた講義+質疑・ディスカッションの形式
当日は一方向の講義にとどまらず、質疑・ディスカッションを通じて、自社の前提や解釈をその場で問い直しながら理解を深める形式を採用しています。
政治・経済に関わるテーマは、前提の置き方や解釈によって見立てが大きく変わる領域でもあります。そのため、単に知識を受け取るだけでなく、自社の事業環境に照らしてどのように理解すべきかを対話的に整理することで、「理解したつもり」にとどまらない状態をつくります。
ICHINOYAのアカデミア人材の価値は「構造理解と翻訳」にある
これまでICHINOYAでは、サービス提供メンバーの特徴である「アカデミア出身」という点について、さまざまな形でお伝えしてきました。
その中でも、特にお客様から評価いただくことが多いのが、特定領域の専門性に加えて、「事業環境を構造的に捉え、前提から分解して理解する力」です。
自社を取り巻く事業環境を構成する要素を断片的に捉えるのではなく、
- どのような前提・歴史の上に成り立っているのか
- どのプレイヤーがどのような意図で関与しているのか
- その関係性がどのような変化を生みうるのか
といった観点から構造として捉えた上で、それを企業ごとの意思決定に接続できる粒度へと「翻訳」することで、初めて実務上の価値が生まれます。
講義を担当する専門家メンバーは、日々のプロジェクトにおいても、こうした構造理解を前提としながら、それをどのように事業判断に落とし込むかまで一貫してご支援しています。そのため本プログラムも、「意思決定に用いる前提として理解されている状態」を実現することを重視した設計としています。
最後に、専門家メンバーの経歴を一部ご紹介いたします。
■政治
- 専門は国際関係、国際協力、平和構築(地政学もいけます)
- 東京外国語大学総合国際学研究科博士後期課程単位取得退学
- 新潟産業大学、二松学舎大学、東京外国語大学にて国際政治や国際協力、昨今の国際情勢等についての講義を担当
- 広島平和構築人材育成センタープログラムコーディネーター、平和・安全保障研究所研究員を経て、アナリストとしてICHINOYAに参画し、現在アカウントマネージャーを兼務
■経済
- 専門はマクロ経済学、ベイジアン統計学、数理経済学、資産価格バブル
- 一橋大学大学院 経済学研究科 博士(経済学)
- 学振特別研究員として学生時代より研究に従事。一橋大学にて大学院向けマクロ経済学の補助講義を担当
- 文科省イノベーション推進事業SciREXアシスタントとしてEBPM(エビデンス・ベースド・ポリシーメイキング)関連研究に携わる
- 博士取得後、一橋大学経済研究所研究員に就任し、経産省EBPMチームに技術提供を行いつつ研究活動を行う。その後調査マネージャーとしてICHINOYAに参画
今回は市場の前提を俯瞰して理解し直した上で事業判断をしたいという方向けのプログラムをご紹介しました。
ご関心をお持ちの方は、こちらよりお声掛けください。

